こつ太のコツコツ日記

30代の既婚男子が一級建築士取得を目指す雑記ブログ

令和元年度一級建築士に合格して検証してみてわかった4つのポイント

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ついにやりました。
呪縛から抜け出すことができました。
苦節8年、角落ち1回にもめげず製図試験5回目の今回やっと合格することができました。

今回この記事では試験元が公表しているものを検証し、4つのポイントが合格を分けたのではと考えているのでその考察になります。
結論から言うとその4つのポイントとは、

  1. 法適合(延焼ライン、防火区画、避難経路、歩行・重複距離)
  2. 室の欠落、床面積の不適合、吹抜けの考え方
  3. 移動等円滑化経路
  4. 要点の項目と図面の整合

これらについて以下考察となります。

発表文から見る一級建築士製図試験の合格基準の検証

センターの発表は来年度以降の試験のヒントになります。
どういった部分を抑えなければならなかったのかを検証するのは標準回答だけでは不十分です。

 

ということで、発表文である合格基準を見てみると、基本的には前回の製図試験と変わったところはないように思われます。
一部課題文に沿った訂正が行われているくらいでしょうか。
(要点の記述が求められた自然換気や構造の耐震性・経済性は採点が大きかったのかも?)
相変わらず、

  • 基礎的な不適合:室の欠落、床面積の不適合
  • 法の不適合:延焼ライン、防火区画、重複区間の長さ
  • 吹抜け

足切りラインであったことがみて取れます。
特に前回の試験の合格基準と変わった部分はないように思われます。

 

続いて、標準回答例の公表についてを最初の1ページを見てみると前回と違う部分があります。
それは、設計条件のうち今回の試験において不十分な答案が多かった「延焼のおそれのある部分」、「防火区画」、「移動等円滑化経路」等に関する一つの考え方をこの標準回答例に示していますので参考としてください。

「移動等円滑化経路」の部分が追加されています。
移動等円滑化経路とは簡単に言うと、すべての人が利用しやすい経路として、経路、出入口、廊下、傾斜路、EV、敷地内通路等に決められた基準を守ったものを言います。

今回の標準回答例を見てみると車椅子使用者駐車場から”移動等円滑化経路”というコメントが書かれています。
ここが今回の製図試験のランク1とランク2の分かれ道だったのではないかと思います。今後ユープラでランクもわかるのでそのあたりの検証は必要かなと思います。

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ではなぜここが狙われたのかと言うと、7月26日に課題発表があったときの留意事項にバリアフリーと書いてあることから、ここを採点ポイントとすると合格率の調整ができると判断されたのではないかと考えます。

標準回答例から見る一級建築士製図試験の合格基準の検証

まず標準回答例を見て、標準回答例は合格基準の最低ラインなどと言われています。
多目的ホールを3階に設置して経済性への配慮がなかったり、屋上庭園の面積がはね出しでギリギリ確保するなどどんな形であれ、課題文を満たしていれば問題なしというメッセージに見えます。

また標準解答例を見ると妙に「風の流れ」を意識して書いています。
これは、要点に自然換気の記述が求められたことによるものです。

このように、図面にも要点の配慮項目を書き込むことが重要なんだと考えます。

来年度の一級建築士製図試験を受ける方への合格するための4つのポイントとメッセージ

来年度も理事長に変更がない限り今年の基準が大事になるのは言わずもがなです。
最初に提示した4つのポイントは絶対守らなければならないと思います。

  1. 法適合
  2. 課題文の条件(室欠如、面積)
  3. 試験前に発表されたこと(屋上庭園、敷地条件等に配慮した空調負荷の抑制や自然採光の利用、バリアフリー省エネルギー、セキュリティ、ゾーニング動線計画、構造計画、設備計画)※今回は移動等円滑化経路にスポットライトを当てたところ合格率が4割程度に落ち着いたから減点が多かっただけで、次回以降は別の部分の比重が上がるかもしれません
  4. 要点に書いた項目を図面に書く

さらに言うと各学校今回の結果を重く受けるはずなので、来年度今回のポイントをしっかり守らせる指導に入ると思います。
その上でゾーニングや要点部分の書き込みなどが増え、図面に求められる基準がアップするように思います。

ただ既受験生に関しては早くから取り組み、この部分を無意識で処理できるように練習することでミスを減らすことができるのではと思います。

 

平成28年から4年連続で施設系?と言われる課題が続いたため、来年は基準階型がくるのではと予想します。
そうなるとまた違った観点の基準が増える可能性は十分に考えられます。

それでも基本は上で示した4つが基本となると思いますので、今回ミスされた部分を明確にし来年度に向けて

とりあえず今は体を休めて気持ちの整理がついてから製図試験の準備を始めてみてはいかがでしょうか?

未熟者ですが製図試験用のTwitterアカウント、こつ太@令和元年度一級建築士合格垢がありますので、ご連絡いただければ時間あるときに返信いたしますのでお気軽にご連絡ください。